未納が増えると年金が破綻する
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表題となっている第4章の「未納が増えると年金が破綻すると誰が言った?」には、
未納率 40%というのは、第一号被保険者(自営業者や学生)のなかでの割合であり、
公的年金加入 者全体からみると5%に満たないことが分かりやすく図示されています。
第3章のサブプライムローン問題も、今や余りにも多くの本により語りつくされた感がありま
すが、ほとんどは当局の規制の及ばないところで、タチの悪い商品が、強欲な業者達により
売買されたといった説明がされていますが、著者はもともとサブプライムローンは低所得者で
もマイホームが持てる低所得者の味方であり、サブプライム関連商品はローリスク、ハイリタ
ーンな商品となっていた。としています。これは、あまり語られることはありませんが、当時
の実情をよく捉えた説明だと思いました。
全体を通して極めて論理的な解説で統一されており、名著「数学的思考力」の続編みて良いと
思いますが、最後に「数学的思考力」は自分の集大成として書き上げたもので、自分の遺書
のような存在であり、現時点でもあの本が「遺作」になっても後悔はありません。と書かれて
おり、著者の思い入れの深さに感動しました。